山折哲雄著「あなたの知らない道元と曹洞宗」を読みました

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道元と曹洞宗
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どうも、メンヘラナマポおじさん(@MenhealerOjisan)です。

山折哲雄さんの「あなたの知らない道元と曹洞宗」を読みました。

仏教や禅の本ばかり図書館で借りてきました。

まずは日本の二大禅宗の曹洞宗についての本からです。

引用レビューします。

目次

 はじめに──日本仏教史と曹洞宗

 曹洞宗の全体像を浮かび上がらせる方法として、三つの視点を押さえておきたい。

  1. 曹洞宗が宗教活動の根本を「坐して瞑想すること」におき、それを通して日本人の生活様式に禅の思想を溶け込ませようとした。
  2. 中国での修行で会得した道元の禅と、それを大衆の間に広めた螢山、峨山らによる禅――その二つの流れが、相互に競いあって今日の大教団を作り上げた。
  3. 道元の禅思想が後の時代の能楽、茶の湯、水墨画などに大きな刺激を与え、禅文化という独自のジャンルを生み出すことにつながった。

日本には禅宗が三宗派ある?

 「禅宗」とは、坐禅を修行の根本とする宗派の総称である。日本の禅宗の主な宗派は、臨済宗、曹洞宗、黄檗宗の三宗派。これらはすべて中国を発祥としている。

 臨済宗は、平安時代が終わりを告げる建久二年(1191年)に栄西が中国・宋から伝えた。臨済宗の禅は、坐禅をして公案(祖師の言葉や言動を基にした課題)を考え、師僧と、いわゆる禅問答を繰り返し、悟りを開く「看話禅」である。

 曹洞宗は、鎌倉時代前期の安貞元年(1227年)に道元が宋から伝えた。曹洞宗の禅は、坐禅こそが仏の実現であるとして、ただ黙々と坐る「黙照禅」である。

 臨済宗は幕府の帰依を受けて上級武士に広まり、曹洞宗は下級武士や民衆に広まったことから「臨済将軍、曹洞土民」と言われた。

日本の禅宗の始まりは?

 日本で禅宗を初めて打ち出したのは、平安時代末期に日本達磨宗を開いた能忍だといわれる。比叡山で修業した天台僧の能忍は、文献によって独学で禅を学び、悟りを開いた。そして摂津の国水田に禅道場として三宝寺を建立し、日本達磨宗を開いた。ただ、三宝寺は禅宗と密教の兼修の寺院だったともいわれる。

 日本達磨宗の開宗と栄西が宋から臨済宗を伝え、九州を中心に布教を始めた。ところが、日本達磨宗や臨済宗の禅宗が盛んになったことから、比叡山や奈良の興福寺など旧仏教から排斥運動を受け、建久五年(1194年)に朝廷から禅の布教停止が命ぜられた。

 その後、栄西は幕府の帰依を得て京都に建仁寺を建立。旧仏教との調和を図るために禅宗・天台教学・密教の三宗兼学の寺院とした。

 純粋に禅宗のみを学ぶ「専修禅」の宗派を開いたのは、道元の曹洞宗が最初である。天福元年(1233年)に京都に興聖寺を建立して、本格的に布教を開始。能忍没後に衰退した日本達磨宗の高僧たちも曹洞宗に参入した。

道元が悟りを得たときの様子を教えて?

 参禅中に一人の修行僧が居眠りをしていた。そこに如浄の叱責が飛ぶ。

 「坐禅はすべからく心身脱落なるべし。只管に打睡して何をかなさん」(坐禅は、身も心もいっさいの束縛から脱却し自由になることである。居眠りするとは何事か!)

 道元は、この「心身脱落」という言葉を聞いた瞬間、悟りを得たという。

 一切の煩悩や執着から逃れ、身も心も生まれ変わって自由自在の境地になることができたのである。

 夜が明けてから、道元は如浄の部屋へ行き、

 「心身脱落し来たる」

 と言って、悟りを得たことを伝えた。

 如浄は「心身脱落、脱落身心」と繰り返して、道元の大悟を認めた。

 道元はそれから約二年間、如浄のもとで修業し、曹洞禅のすべてを学んだ。禅宗では、悟りの後の学びを「悟後の修行」といい、これが本来の修行とされている。

道元は帰国後、なぜ『普勧坐禅儀』を書いたの?

 道元のいう坐禅とは、「只管打坐」(悟りを求めて坐禅をするのではなく、一切のこだわりを捨ててただひたすら座ることで、仏の命と一体となっているということ)であり、「坐禅は安楽の法門である」と説いた。

 栄西が建仁寺を建立した時に禅宗は認められたものの、それはあくまでも天台教学や密教との兼修だった。道元は、そこから禅宗だけを独立させた宗派とするべく『普勧坐禅儀』を書いたといわれる。

山折哲雄著「あなたの知らない道元と曹洞宗」を読みました
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