どうも、メンヘラナマポおじさん(@MenhealerOjisan)です。
福田晃一さんの「買う理由は雰囲気が9割」を読みました。
引用レビューしていきます。
はじめに
こんな情景を目にしたことはないでしょうか。
常連でもないのに、入店するなりメニューを見ることもなく注文を始める人たち。彼らはあらかじめsnsで情報をチェックし、決めてきたメニューを注文すること自体を目的として店に来ています。
「お店のオススメ」「お店の言う人気メニュー」に目を向けることすらなく、見ず知らずの人の写真やコメントを参考に食べるものを決めているのです。
「自分が食べたい」ではなく、ネット上の情報に従い、「頼んだ方が良さそう」という理由でオーダーする。
なんか変だと思いませんか?
でも、これが現実に起きていることなのです。
とある調査で「信頼できる情報源」を尋ねたところ(複数回答可)、友達や家族が56%、知り合いでないインフルエンサー(ネットで影響力を持つ一般人)が49%と僅差でした。面識どころか何の関係もない人の意見を信じているというわけです。
また違う調査では、よく使う情報検索先をあげてもらったところ、20代、10代は、googleやYahooといった検索サイトではなく、インスタグラム(主に20代)、Twitter(主に10代)という結果が出ています。彼らの多くがテレビや雑誌、新聞といったマスメディアにあまり触れていないことは、みなさんもご存じでしょう。
つまり、企業がいかに情報を発信しても、ダイレクトに届き、受け取る人はほとんどいない、届いたとしても素直に受け入れることはないというわけです。
「誰かの声」が行動を決める
インターネットやソーシャルメディアの普及によって、広告の効果も、そのあり方もがらりと変わってしまいました。
マスメディアの情報でなく、人々が自分で「正しい」と思う情報だけを選ぶようになったのです。
ニュースだけでなく、美味しいレストランやおしゃれなカフェ、ファッションやコスメ、本や音楽、映画などについても、口コミやレビュー、評価の☆の数を見て店を選んだり、商品の購入を決めています。
残念ながら「この商品は素晴らしい」とか、「感動の大作」などといった言葉に人々は踊らされません。むしろ一般人のリアルな口コミこそが、人々の「買うか買わないか」の決め手になっているのです。
簡潔に言ってしまえば、今、モノが売れるか否かの決め手となるのは「誰かの声」なのです。
ただし、誰でもいいわけではありません。
自分の知っている人、自分の信頼している人たちが話題にしていることに人々は大きく影響されます。
ソーシャルメディア上での身近な知り合いからの口コミ情報を何よりも信頼します。
この口コミ情報をどのように活用するかが、今、商品が「売れる」「売れない」の分岐点になっているのです。
自分に付加価値をくれるモノを人は求めている
人々の「心に響く何か」とは、ソーシャルメディア上では、「話題にあげたくなるモノ」と言い換えることができるでしょう。
今までの企業は、製品の性能の差別化、デザインの差別化、価格の差別化等々、徹底的にマーケティングしてデータを積み重ね、モノ自体の差別化を試みてきました。しかし、今、ソーシャルメディア全盛の時代における最も大事な差別化は、「話題に上るかどうか」の差別化です。
「話題に上るかどうか」は、消費者がモノにどんな価値を見いだすかで決まってきます。
必要とされる機能、性能であることは当然です。ただそれ以上に、その商品が自分の日常生活に何をもたらしてくれるのか、その付加価値に人々は期待をするわけです。
言い方を変えれば、自分のライフスタイルや世界観に照らし合わせてその商品が「自分事であるかどうか」「自分の生活を素敵に彩ってくれるかどうか」で判断します。
(中略)
「雰囲気」をつかむ場所もまた、テレビや雑誌などのマスメディアではありません。
消費者の多くは、モノの良し悪しや付加価値がありそうだという雰囲気を、マスメディアの広告ではなく、ソーシャルメディアの投稿から判別します。特に、自分が信頼できる人や尊敬している人の投稿や口コミを信用しているのです。
とりわけ シンパシーを感じ、憧れの対象であるインフルエンサーの投稿は、多くの人に影響を与えます。
最新のファッションやコスメなどを先取りし、自身の生活の中に溶け込ませ、生き生きと表現している彼女たちの投稿は、フォロワーたちにとって自分の豊かな未来の光景を先取りし、約束してくれるもの。その商品を購入し、自分の日常生活の中に取り込めば、彼女たちと同様の素敵な体験をすることが可能になる。
それを夢見て購入するわけです。
一つの投稿が、そんな具体的なイメージまで与えてくれるのです。
ソーシャルメディアをいかに使うか
インスタグラムは、メインとなる投稿写真をどのように工夫するかで、ユーザーの真価が問われます。要は「インスタ映えする写真」を投稿できるかどうかが、注目されるか否かの分かれ目になります。
そのため、撮影場所や撮影するものがふんだんにある都会の方がやりやすいという特徴があります。
「かわいい服を着て、すごくおしゃれな町の一角で撮影したいけど、見渡す限りの田んぼだから説得力がない」といった理由で、インスタグラムに定着しない若者世代も実は少なくありません。
つまり、都市圏で生活し、それなりに小遣いを稼ぐことができる大学生(20代の社会人はもちろんのこと)以上が、インスタグラムのヘビーユーザーです。
Twitterを好む世代は、インスタグラムのユーザーよりも若干、年齢層が低めです。
先程お話ししたインスタグラムのユーザー像に該当しない若者たちは、Twitterを主戦場にしています。インスタグラムの主要な要素となる写真に時間もお金もかけられない、かける必要を感じない層の人たちです。
「余白」+「奥行き」がイマジネーションを掻き立てる
空き地に転がっている土管やタイヤ、木の棒といったものが、企業がprしたい商品です。
空き地の中のなにもない空間が余白です。
商品を空き地に放り込むと、空き地を利用するユーザーたちは、その商品をいかに自分達で使い、楽しもうかと考え始めます。
商品自体の素晴らしさというよりも、商品を使うことによって、楽しくて豊かな時間が訪れるのではないか、そう妄想するわけです。
ユーザーたちがその商品をもとにイマジネーションを膨らませて、ワクワクし始める。
そのワクワク感に乗っ取って、「今、この空き地でこんなに楽しいことをやってるよ」とシェアし始めます。それは、子供たちの遊びに例えるなら「かくれんぼする人、この指止まれ」と言っているようなものでしょう。
それを見た別のユーザーたちが「僕も」「私も」と空き地に集うようになり、また別の空き地で同じようなやり方を真似して遊び、またオリジナルが生まれ……これが拡散です。
商品ではなく消費者を主体にする
企業が運営している商品説明用サイトや、ソーシャルメディアでの企業のページを見ると、カタログ的に商品を並べて紹介してしまっているケースがとても多く目立ちます。企業側からすると、それぞれの商品の説明をする上で分かりやすさを追求したつもりなのでしょうが、消費者側からすると、「わかりやすくても欲しいとは思えない」という、悲しいギャップが生まれているのです。
例えば水着の場合、カタログ的に紹介するケースでは、単に水着を並べたり、もしくはマネキンやモデルに着せて撮影した画像を並べています。
このとき、主語は「水着」になってしまっています。
水着の素材、デザイン、色などのスペックによって、「この水着いいでしょう?」とアプローチしていることになります。
カタログ化されていない表現方法とは、この水着を「人がどう使うか」に焦点が当てられているのです。
ハワイのビーチを彷彿させる場所で水着を着ている女性がいるとします。後ろにはきれいな海が見え、手にはトロピカルドリンクがあり、遠くで誰かが自分に向かって手を振っている。
この一枚の写真には、水着以外の無数の情報が入っていますが、これらの情報が総合的に「あ、夏だな、こんな水着を着て楽しまなきゃ」という気持ちを消費者に喚起させるのです。
(中略)
「奥行き」とは、こうした妄想やストーリーを喚起させる情報であり、商品を購入した自分を想像させるための「イメージの種」と言えます。
つまり、その商品を購入したあとに自分に起こり得るサジェスチョンをつけることが、商品prに奥行きをつけるという技法です。
いつ頃から企業のpr依頼が来るようになりましたか?
石田「だいたい一万人くらいじゃないでしょうか。五千人を越えたぐらい、一万人いってなくても依頼が来るケースはあるみたいですけど」
綾瀬「もともと依頼元となる企業と何かしらの繋がりがある人だよね、それは」
本多「知り合いでないところから依頼が来るのは一万フォロワーを越えたくらいだと思います」
福田「データとしても五千フォロワーから三万フォロワーぐらいの人が多いですね。このゾーンが、エンゲージメント(シェア)と価格のバリューがちょうどいいバランスなんでしょうね。ファンの層も濃いゾーンですし。十万フォロワー以上になると、ファン層もバラバラになってしまうから」
本多「フォロワーが多すぎる人は、いわゆる通りすがりが多い場合もあるみたいですね。テレビで少し見たとか、ただなんとなくとか、軽い理由でフォローしているのでインフルエンサーにあまり意識が向いていない。フォロワーが二、三万人くらいだと常連さんが多いので、濃度が高いですよね」
福田「本当に共感してくれるフォロワーとの関係はやはり濃いというか深くなるよね。濃度があると、情報発信したときにどんな反応が来ますか?」
本多「二、三万人フォロワーくらいだと、発信したものに飛び付いていただけるのは間違いないですね」
石田「ほんとにそう思う。二、三万人くらいからが一番反応率がいいです。」
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